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- STORY -
人類と共に文明は衰退し、
歴史に記される事なく進み続ける
平行線上の世界。
人々に忘れ去られた辺境の土地[ヒンメルス・クレスト]。
記憶を失った青年 [シン]は、この土地で牧歌的な日々を送っていた。
理想のオトナを目指す、少しマセた赤髪の少女[エレナ]。
明るくユーモラスな老人[ダスティン]。
彼にとっては、命の恩人とも呼べる二人と共に。
薪割りや山羊の世話、家事と洗濯……未知の環境に翻弄される毎日。
暮らし始めて一ヵ月が経とうとしていたある晩、
星の海広がる夜空の下で、シンとエレナは言葉を交わす。
やがて彼女は意を決したように、告げる。
「わたし、街へ行きたいんです!」
優雅なる夢の都[セスニア]。
エレナいわく、そこにはオトナに近付くための"何か"があるという。
しかし、一人ではその勇気が持てない。
故に彼女は乞い願う。
「これが、"子どものわたし"がお願いする
最後のワガママ」
「―――聞いてくれますか?」
瞳を通して伝わる確かな決意。
日常の安寧はひとつの小さな決断により、静かに色を変えようとしていた。
きせき
めぐ
これは「わたし」が「私」に生まれ変わるまでの、軌跡を廻る物語。
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